Live Report
サカナクションは2026年4月18日と19日の2日間、SGCホール有明「こけら落としプレミアシリーズ」(2026年3月27日開業)として、プレミアムなライブを開催した。
普段のツアーでは、セットリストにより綴られるストーリー性、その世界観を拡張させる映像および照明によるストイックなまでの演出、そしてこだわりの音響により、総合芸術としてのライブ体験を味あわせてくれるサカナクション。だがこの2日間はNF member限定公演とし、事前に行われたNF memberの投票によって選ばれた楽曲を披露するという特別な構成となっていた。
こうした企画性の高いライブとなった最大の理由は“音”。サカナクションは2018年にEX THEATER ROPPONGIで国内初となるイマーシブサウンドシステム「d&b Soundscape」をライブに導入。そして今回、オープンしたばかりのSGCホール有明には、そのd&b Soundscapeがコンサート・ホール規模としては世界で初めてフルスペックで常設されており、誰よりも先にd&b Soundscapeをフル活用した特別なサウンドをNF memberに体験してもらいたいというサカナクションの想いから、今回のライブが実現されることとなった※1。
そこで今回、事前のスピーカーチェック作業や通しリハーサル、初日を終えてのブラッシュアップ作業などの様子をふまえて、同公演2日目(4月19日)の内容を中心にレポートしよう。
文 布施雄一郎
写真 後藤武浩
※1 同会場では既にB'z、山下達郎がライブを開催していたが、イマーシブサウンドシステムでの公演はサカナクションが初めて。まさに“d&b Soundscapeこけら落とし公演”であった。
※2 2018年のサカナクションEX THEATER ROPPONGI公演では、d&b Soundscapeの基本となる効果(「En-Scene」機能)のみを使いライブ・サウンドを構築。詳細は『イマーシブ音響システム「d&b Soundscape」とは』を参照。

d&b Soundscape用のサウンドを、メンバーとサウンド・チームが会場で作り込んでいく一日。
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いよいよライブ初日の当日。本番に向けた最終調整と、メンバーが語ったサウンドへの手応え。
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公演2日目。穏やかな雰囲気のなか、メンバーが昨夜のライブを振り返り、ブラッシュアップを重ねていく。
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フルキャパシティ5,000人を前にした最終公演。リクエストランキングをめぐる第1部と、スタッフリクエスト&MCに彩られた第2部。
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2日間を終えたメンバー&スタッフの率直なコメントと、秋のアリーナツアーへの意気込み。
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NF memberによる事前投票の結果と、当日のセットリスト。
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サカナクションが今回のライブで採用した革新的なイマーシブ音響システムの解説。
Read more →サカナクションはまず、4月7日からd&b audiotechnik 社のスタジオで数日をかけてd&b Soundscape の事前仕込みを実施。そしてライブ本番5日前となる4月13日、音響周りをはじめとする機材を会場へ搬入し、その日のうちに各スピーカーの音をすべて確認。翌14日は主に照明やレーザー、映像などの仕込みに充てられ、会場内で本格的にサウンドのチェックが始まったのは15日からだった。
この日は、オールナイトニッポン生放送明けの山口を除く、岩寺、草刈、岡崎、江島の4人と、佐々木幸生(サウンドエンジニア)、浦本雅史(レコーディングエンジニア、マニピュレーター)を中心とするサウンド・チーム、さらにd&b audiotechnik社のスタッフも加わり、基本となるサウンドの作り込みが行われた。具体的には、リハーサル時の演奏を録音したデータを再生しながら、メンバー4人は会場のあらゆる場所へ足を運び、サウンド・チームと共に音の聴こえ方を自ら確認し、作り上げていく作業だ。
一般的なステレオ(L/R)方式でのライブであれば、スピーカーのサイズや量、音圧感は違えど、音の聴こえ方は通常のステレオスピーカーやヘッドホンと基本的に同じ。そのため普段のツアーであれば、メンバーが事前に作り上げたサウンドのイメージと、実際に会場で鳴らした際の印象の違いを埋めていく調整が行われる。ただし今回のライブは、ステレオ方式とは異なるd&b Soundscape。歌や各楽器の音、そしてシーケンス・サウンドをどこからどのように聴こえるようにするのか、それぞれの音を最適な位置へ配置していく作業が慎重に行われた。喩えるならば、今まで二次元のキャンバスに描いていた絵を、三次元の立体空間にどう描き、どう絵具を重ねていけばいいのかという、まったく発想が異なるクリエイティブな作業だ。
ただし、言うは易く、行うは難し。d&b Soundscapeは、音像の定位(観客目線で言えば、音が聴こえてくる方向や奥行き)を左右方向のみならず前後方向まで表現できるため、自由度が増す一方で、調整の難易度は増していく。例えば、ステージ中央の前方に歌を配置すると、定位感は明確になるものの、前方両サイドの観客にとっては、自分の真横、あるいは後ろから鳴っているように聴こえ、印象として寂しく感じてしまうこともあり、そのバランスは非常にシビア。この点について、浦本と佐々木は次のように説明してくれた。
d&b Soundscapeでの音の調整は、普段のステレオ方式でのライブとは全然違いました。まずd&b Soundscapeにはセンタースピーカーが存在するので、“真ん中(から鳴る音)”という概念が生まれます。今のステレオ方式のライブだと、左か右の端にいるお客さんは、ステージの真ん中にいるボーカルの歌を、目の前にあるスピーカーから聴いていたけど、d&b Soundscapeなら見た目と同じステージの真ん中から歌が聴こえてくるようになるわけです。ただその分、歌が遠くから聴こえるように感じてしまうので、そのあたりのバランスをサニー(佐々木)さんがかなり細かく調整してくれました。
6.1chサラウンド・ライブの時も大変でしたけど、d&b Soundscapeはそのもう一段階、さらに上をいく感じ。セッティングだけで最低でも丸2日間は欲しいところ。2日かけて音の配置をプログラミングできたら、そこからようやく本来のライブ・ミックスの作業に集中できるようになると思います。
しかもサカナクションが描き出すサウンドは実に多種多彩。ピンポイントでタイトに聴かせたい音もあれば、ワイドに広げたい音もある。そうした中でも、会場内を誰よりも頻繁に動き回り、微調整を行っていたのはシンセを操る岡崎だった。シンセ・サウンドは、そもそも2台のステレオスピーカーで鳴らすことを前提に成立している音色が多い。それをd&b Soundscapeが生み出す空間にどう配置するのかに「これ」という正解はない。曲ごと、あるいは音色ごとに、前後左右の定位やボリュームを細かくチェックし、より聴こえ方がベターとなるよう調整を繰り返していた。
もちろん、ギター、ベース、ドラムも同様で、時にはベースだけ、スネアだけと単音を鳴らしながら、全員が会場のあらゆる場所を移動。聴こえ方を自分の耳で確認して、「左右に広げると真ん中が奥に引っ込んでしまう」「後ろだとちょうどいいけど、前にいくとうるさい」「聴こえない音は、配置を変える? 音量を上げる?」などと話し合う光景が何度も見受けられた。それは、サカナクションにとっての音作りの試行錯誤だけでなく、SGCホール有明にとっても音作りの壮大な実証実験といった側面もあり、あらゆることが未知数の状態で、サカナクションと会場スタッフが一体となっての作業であった。
途中、予期せぬ音響的なトラブルもありつつも、草刈が制作した開場時のSE(いわゆる客入れBGM)もチェックが行われ、19時すぎ、この日の作業は一旦終了。一日を振り返った草刈は「想像していた通りの部分もあれば、もっとこうすればいいんだとわかった部分もあったりして、すごい面白かった」と笑顔で語ると、江島は「今日のところは60点くらい。実際にここで生演奏した生音をサニーさんがミックスしてくれたら、もっと1個1個の音がシャープになって音の分離が良くなるはず。まだまだいけますよ」と手応えを感じた様子だった。

前日17日に音響や照明、演出をチェックするテクニカル・リハーサルを終え、いよいよライブ初日の本番当日。昼の12時すぎからメンバーは会場入りし、13時にリハーサルが始まった。「思ったより大きいな」。この日、初めてSGCホール有明のステージに立った山口は、誰に告げるともなく、ふと会場の印象を口にした。
まず舞台監督の増田崇が全体の流れや、今回はメンバーの立ち位置が横一列ではなく、わずかに半円状となっていることなどの注意事項がメンバーに告げられ、「新宝島」の演奏で各人のモニターバランスをチェック。江島は、今回初めて使用するスネアドラム(70年代のビンテージ・ロジャース)のチューニングをやり直し、草刈は新しく導入したベース・アンプヘッド(マークベース)やシンセベースの微調整を行い、通しリハーサルが始まった。
前日のテクニカル・リハーサル後にも再度d&b Soundscapeの調整が行われたことに加え、この日はバンドの生演奏となったことで、サウンドがクリアになったことは一目(耳)瞭然。江島が先日語った「まだまだいけますよ」という言葉は、まさしくその通りであった。それでも、通しリハーサルの途中で何度かフロアに降りてサウンドをチェックしたり、サウンド・チームとコミュニケーションを図ったりしていた山口曰く、「やっぱり生音が立つから、どうしてもシーケンス・サウンドがちょっと引っ込んで聴こえる。まだバンドのバランスもバラバラで、何かこう、ちょっと音が生々しすぎるかな。今回は普段のストーリー的な観せ方と違ってリクエスト順の演奏だから、余計にそういう部分が目立ってしまうかな。そこを整理しないと」。
また山口は、「『アムスフィッシュ』は、もっとギターの歪みがノイジーな、ちょっとヤンチャ感を出したい」と自分のギターをレスポールに変えたり(オアシスのライブを観て、その影響でレスポールを購入したらしい)、当初、本編はリクエスト10位から1位までで、アンコールでスタッフ・リクエストという想定だった構成を「お客さんを待たせたくないから、本編/アンコールではなく、1部/2部とした方がいいと思う」と次々にアイデアを出し、ライブの流れをより良いものとしていく。他方、メンバーも何かしら空き時間が生まれるとそれぞれが楽器を鳴らして、サウンドをブラッシュアップ。「いらない」のリハーサル後には、「シンセベースの立ち上がりをもう少し速くできる?」という佐々木のアドバイスを受けて、草刈が「これはどうですか?」とすぐさま音色をコントロール。シンセベースの歯切がよくなり、曲全体のグルーヴが一気に軽快になっていった。
そうした中、「今回のセットリストは(NF memberの)みなさんのリクエストなので、僕は何もしてません」と笑顔を見せていたのが、普段のツアーでは総合演出を手掛ける映像ディレクター、通称“監督”こと田中裕介。確かにこのライブには基本的に映像は使われず、照明やレーザーによる演出のみで構成されていたが、それでも通しリハーサルが始まると田中はアリーナ中央に陣取り、真剣な眼差しでステージを見つめ、照明担当の本田祐介と「いらない」の照明の色合いを話し合ったり、「SORATO」で演出の主役となるレーザーと照明の兼ね合いなど気になった点に対して、即座に手直しを加えていた。
こうして16時すぎに全体の通しリハーサルは終了。引き続き、DJセットのサウンド調整が17時近くまで行われ、そしていよいよ、本番初日の開場時間を迎えた。
公演2日目。4日間に渡るサウンド調整の末、満足いく形で初日を終えられた安堵感、あるいは心の余裕からか、チーム・サカナクション全体に穏やかな雰囲気が漂っていた。
コアファン向けのファンクラブイベントということで、昨日はすごく温かい空気感でした。お客さんも盛り上がり方も、ファンクラブならではの「こうだよね」っていう感じで。何て言うのかな、ランキングの発表も、単なる驚きや盛り上がり方ではなくて、「みんな分かってんなぁ」みたいなコアな一体感で、僕らも安心感がありました。音の方も、初日のエア録音を聴いたら想像以上にまとまりもあって。分離感も良くて、僕らはもう、今日も楽しんで演奏するだけですね。
初めての会場で、初めてのスピーカー環境で、初めて5人で全曲を通すという初日だったので「大丈夫かな?」と探り探りでした。もうちょっと安心しながらできると、もうすこし柔らかく(演奏)できるんでしょうけど、それでも初日のエア録音を聴いてみたら細かい音も全部聴こえていたので、そこは良かったなって思っています。
リハーサルまでは、客席で聴こえる音と耳(イヤーモニター)の環境が結構違っていて、耳に返ってくる低音がずっとモワモワしていて。でも本番はお客さんがビッシリと入ってくださったから(音が吸われて)ステージ上の音がものすごくスッキリして。お客さんにどういうふうに聴こえているのかは想像できなかったけど、エア録音を聴いたら大丈夫そうで安心しました。d&b Soundscapeも、最初はシンセの置き場所(配置)はどこがいいのか、佐々木さんとすごく探して。大変でしたけど、MOOGとかのモノ・シンセ系はいい場所を探せたから大丈夫かな。今日で終わっちゃうのが残念ですね。
初日にしてはすごくまとまっていたと思いますよ。音も(リハーサル時より)かなりスッキリしてたし。あとは一郎が万全の調子で歌ってくれれば、今日もいいライブにできると思います。
最初はどうなることかと思いましたけど、かなりいい感じにまとまったと思います。
相当いい感じになってきたと思います。問題ないところまでは作り上げられたので、今日はここから、さらに詰めていきます。
このように、それぞれが昨夜のライブを振り返りつつ、初日を経てのブラッシュアップ・ポイントを修正していく作業が、この日も昼の12時すぎから始まった。
13時すぎに5人がステージ上に揃ってサウンド・チェックが行われると、この日は恒例のチーム・サカナクション全員でのラジオ体操からスタート。その後、映像(ランキングの順位と曲タイトルの表示)を映し出すタイミングを微調整した曲を、実際に演奏しながら確認していく。すると突然、「ちょっと待って! みんなサカナクションTシャツ着てない?」と言い始めた山口。そう、私服のままステージに立っていた山口以外の4人は、全員が(自然と)この公演用のグッズTシャツを着てリハーサルに臨んでいたのだった。
みんな示し合わせたの?
してないしてない。(4人の)グルーヴ(笑)。
マジかよ。仲間外れはイヤだからオレのTシャツも持ってきてよ。今まで19年間、そんなことなかったじゃん。むしろ昔なんて、オレが率先して1人サカナTシャツでリハしてたのにさ。
このやり取りに、メンバーだけでなくスタッフからも笑みがこぼれた。こんなリラックスムードがありながらも、曲が終わった時の音の消え際や、曲間のつなぎもシビアに確認していく。その際、ある音を加えようと山口が提案。リハーサルを中断し、急遽、その場で録音が行われ、浦本のパソコンに新たなシーケンス・サウンドが加えられた。「こうした方が良くなる」と思いついたら、即実行。この臨機応変さも、サカナクションならではだ。
音だけではない。演奏に支障がないよう照明の明るさ/暗さも再確認が行われ、本番前のリハーサルは終了。ここで、この日のライブでチーム・サカナクションを勇退するギターテック武田数也(岩寺担当)に山口から花束が渡され、チーム全員で記念撮影が行われると、メンバー、スタッフの大半はバックステージへ。ガランと静かになった会場で岡崎だけはステージに残り、開場のアナウンスが告げられるギリギリまで、フレーズやサウンドのチェックに余念がなかった。
昨日の初日に続いて満員の会場。1階フロアをスタンディングとして、SGCホール有明のフルキャパシティとなる5,000人が開演を心待ちにしていた。その観客の手には、入場時に配られた「What is d&b Soundscape ?(d&b Soundscapeとは?)」というフライヤー。ステージ上のスクリーンにも、今日のライブがイマーシブサウンドシステムを用いたライブであることが映し出され、会場で鳴っていたアンビエントなBGMは既にd&b Soundscapeを用いて様々な音が観客を取り囲むように360度全方向からこだまし、ゆっくりと空間を漂っていた。
そして18時5分、スクリーンにd&b Soundscapeの音響特性を活かした30秒ほどのティザームービーが映し出されると、会場の照明が落とされ、電子的なドローン音がピアニシモから大きな波のように徐々に大きくなり、また消えていく。そこに聴こえてくる静かな吐息と、暖かさと冷たさが織り交ざった美しい響き。こうした無機質にも感じられるサウンドが、客席各階の両サイドと後方壁面に常設されている70台のサラウンド・スピーカーを伝って、観客の周囲をゆっくりと有機的に包み込んでいく。それらの音色は次第に希望の光のように明るさを帯びていき、8分音符のシンセベースが響き渡った瞬間、ステージ後方から一列に放たれたライン状の光によって、5人のシルエットが浮かび上がった。
その曲は「multiple exposure」。ファン投票ランキングとは別枠として、ライブの幕開けに相応しく、加えて、d&b Soundscapeの音響体験をまず観客に味わってもらおうという意図からメンバーが選んだ一曲だ。もちろん、2021年に彼らが行った<SAKANAQUARIUM アダプト ONLINE>のオープニングを彷彿とさせる選曲であったことは言うまでもない。
続いて聴こえてきたのは、ゴボゴボといった気泡の音。まるで自分が水の中にいるかのように感じていると、そこにリバーブがたっぷりと効いたドラムがどっしりと8ビートを刻み、“あの”ピアノとギターのフレーズが穏やかに重なっていった。コアファンが一斉に歓喜し、始まったのはファン投票ランキング10位「アムスフィッシュ」。そこから一気にBPM感が躍動し、9位の「M」へ。
「みなさんこんばんは! 僕たち私たち、サカナクションです!」。イントロで山口がこう語ると、ファンは大歓声で応える。するとシンセのテーマフレーズと同時に、山口、岩寺、草刈がステージの最前へ飛び出していき、観客の興奮は最高潮に。普段のツアーであれば、このままノリのいい曲が立て続けに畳みかけられるところだろうが、そうならないのがランキング形式ライブの面白さ。「M」の興奮が冷めやらぬ中、観客は8位「白波トップウォーター」の歌と美しいディレイ音に身を委ねると、7位「目が明く藍色」ではイマーシブな厚みと輝きのある合唱の響きが、観客を深海の深みへと連れていった。
そんな観客の緊張感を解きほぐすように、山口は「はいどうも! こんにちは! 今日は(いつもと)違いま~す!」といきなり明るく笑わせ、MCでこのライブの主旨を語った。
今日はSGCホール有明の“こけら落し”と言うことで、ファンクラブのコアなみなさまに聴きたい曲を投票してもらって、10位から発表していくライブをやっております。みんな選んだ曲だからね、暗くても知らないよ。本当は『夜の踊り子』とか聴きたかったんじゃないの? 入ってないよ、10位以内に。ふはははは(笑)
いつものYouTube配信のように笑い飛ばす山口に、江島はすかさず「えっ、それ言っちゃうんだ(笑)」と突っ込む。ライブ序盤からこうしたやり取りがあるのも、サカナクション・ライブでは実にレアなシーン。また、「いつもは自分ばかりが話すから」と急に山口が黙ると、困惑した江島に話しを振られた岡崎が「みなさん、楽しいですか?」と観客に声をかける。すると「お客さんとのコンタクトは最終手段に取っておいた方がいいよ。まず自分のことを語っていく方がいい。ふはははは(笑)」という山口の公開ダメ出しに、岩寺と草刈も笑みをこぼす。
こうして山口は「今日は“お楽しみ会”だから」と言いつつも、初日はMCで喋りすぎ3時間を超えてしまったと明かし、「今日は短尺で。じゃあ次は6位!」というかけ声で鳴り響いたのは、最新曲「いらない」のシンセドラム。元々が80年代テクノポップをイメージして作られた楽曲で、配信された音源では細部に渡ってきれいにトリートメントされたサウンドが魅力的だったが、この日はサブウーファーによる圧倒的な重低音と、良い意味でラフさのある手弾きシンセが、より一層テクノポップ感を際立たせていたのが印象的だった。しかもこの会場には、バルコニーや各階の天井下に正面スピーカーのサウンドを補強する、いわゆるディレイスピーカーが設置されているので、どの席でも細かな音までクリアに聴こえてくるし、サブウーファーがステージ下部だけでなく、天井近くにも設置されているので、4階でもアリーナと同じように迫力ある重低音に身体が揺らされる。
ところが曲が終わるや否や、「ちょっと待って、ちょっと待って! オレ、(パフォーマンスに)慣れてないわ」と言い出した山口。「問題はフェスだから。初見さんもいるから、どうする? かけ声(コール&レスポンス)にする?」とファンに問いかけるも、いまひとつの反応に「コアファンは厳しいなぁ」と山口は苦笑した。それでも、サビでのコール&レスポンスを一度試してみようと、会場全体でサビのみを練習(もちろん、バンド演奏&照明付きで!)。その結果が夏フェスでどうなるのか、楽しみにしておこう。
そしてライブは再びランキングに戻り、5位「エンドレス」から、4位「シーラカンスと僕」、3位「mellow」、2位「human」の4曲を一気に披露。「エンドレス」では、ステージ上の5人の立ち位置から聴こえてくる生演奏のエモーショナルなサウンドに対して、弦楽器のピチカート音などのシーケンス・サウンドがホール全体で鳴り響くように聴こえ、そのマッチングの“よい違和感”が心地よい。後のMCで岡崎が「今日、演奏していてエモかった」と語った「シーラカンスと僕」も、歌を含めた5人の演奏音の分離の良さと、それらを程よくつなげる飽和感のバランスが絶妙で、バンド感がありながらも1音1音を細かく聴かせるという、まさに理想的な音像感。それを実現していたのは、d&b Soundscapeという新しい音響システムのアドバンテージと、それを巧みにコントロールするサウンド・チームの力量に加え、サカナクションの高い演奏力があってこそのこと。
また今回、先に触れたように基本的に演奏と照明のみのシンプルな演出であったことで、これら2曲やコアファンの間に人気の高い「mellow」は、これまでのライブ以上に観客は音楽(演奏)そのものに入り込めただろう。だから余計に、「mellow」サビでのミラーボールのきらめきは非常に印象に残るものだった。そのエンディング。余韻とクロスフェードするように山口が響かせたギターのフィードバックサウンドに、今度は岩寺のギターが「human」のイントロを重ねた際の大歓声は、この夜のひとつのクライマックス。今回の投票は、公式には「いまライブで聴きたい一曲」という募集であったが、いつしかファンの間では「ライブであまりやらない曲」「ライブで聴いたことがないレア曲」といった流れを生み、そこで「human」が2位となったことは、意外とも言えるし、とても納得いく結果だとも言える。そして同様の理由で1位に輝いたのは、正式なスタジオ音源としては未発表の作品「SORATO」だった。
この曲は、2017年、サカナクションが公式アンバサダーを務める世界初の民間による月面ロボット探査レースに挑戦する日本唯一のチーム“HAKUTO”を応援するプロジェクト「au×HAKUTO MOON CHALLENGE」の応援楽曲として作られたもの。ただ、同プロジェクトが成就していないことを踏まえ、山口は「プロジェクトが完結した際にこの曲をしっかりと作って発表したいから、本当はやりたくなかったの。投票してくれた人には申し訳ないけど(笑)」とユーモアを交えながら、正直な胸の内を明かした。
ただ、みんながそこまで望むならと言わんばかりに、「(SORATO)はDJセットでやる曲だから、それだけやってもつまんないじゃない? だから(2017年の)ライブでやったような流れでやりたいと思います」と、サプライズ的に「三日月サンセット」をバンドで演奏。そのまま、草刈、岡崎、岩寺、江島のソロ・パートを挟んで、盛り上がりが最高潮となったところでDJセットが出現し、「SORATO」が始まるという何とも贅沢な演出がされた。ホール全体がドラムマシンになったかのように4つ打ちのキックが轟き、合唱パートが空間を埋め尽くしていく。そこにレーザーが炸裂し、天井からは幻想的にバブルが降り注ぐというレイヴ・パーティ感に会場が満たされると、そのグルーヴは止まることなく「ミュージック」へとつながっていき、熱狂のうちに第一部が終了した。
メンバーが一旦ステージ袖に姿を消すと、その間、ステージ後方のスクリーンには全117曲のランキングが映し出され、観客からはさまざまな反応が見受けられた。そこに再び登場した山口。
『怪獣』何位だった?(30位という結果に)みんなひどいよ(笑)。あと、(108位の)「茶柱」も、すごくいい曲なのに(笑)。みんな、普段聴けない曲を投票したのかな? “サカナクションのライブは初めてです”っていう人、ごめんね。今日はレクレーションも入ってるから。でも、たまにはこういうのもいいですね
山口はこうした話し始めると、そのまま作詞時の想い出トークに。「さよならはエモーション」の歌詞中、当初「缶コーラ」としていた部分を、プロデューサー野村達矢のアドバイスで「缶コーヒー」に変えたことや、この日に演奏された「目が明く藍色」も同様に、最初は「目が“開く”藍色」と表記していたものを、野村から「“明く”の方がいいんじゃないか?」と言ってくれたというエピソードを披露した。このように、バンドを長年支え続けてきたスタッフ陣からのリクエスト編として、第2部はスタート。会場では、実際にリクエストした本人と山口とのトークも披露された。その際のコメントをコンパクトに紹介しよう。
「新宝島」の頃から、一郎くんが書き上げたばかりの歌詞を送ってくれるようになって、その中で一番衝撃を受けた曲。当初、曲だけを聴いていた時は“夜の都会”というイメージだったけど、サビをはじめ全体的に予想外の歌詞でした。
いい曲がいっぱいある中で、一番好きな曲。曲自体の完成度がものすごく高かったし、冒頭の歌詞でハッとさせられた。バンドとして初めて、地上波ドラマ『37歳で医者になった僕~研修医純情物語~』主題歌となり、この曲でサカナクションが世間一般に認知された思い出深い曲です。
サカナクションと仕事をするきっかけとなった曲。(シングル「セントレイ」初回限定盤ボーナストラックとして)この曲のライブ・バージョンのミックスをさせてもらってから、今日までずっと一緒にやっています。
純粋にすごく好きな曲だし、サカナクションとの仕事で思い出深い<15.0 STUDIO SESSION>で、この曲をさらに深く知ることができた。ただその時、一郎さんが「やりたくない」と言っていて、もうライブで聴けないのかと思っていたところだったので、「ここだ!」と思ってリクエストしました(笑)。
(山口曰く、太宰府天満宮での仮殿奉納公演『邂逅』の際、本番直前に山口が照明の位置を動かして欲しいと本田に依頼し、お礼に山岡家のラーメンを奢ろうとしたところ、「その代わりに僕にもリクエストさせてほしい」と本田から申し出があり「開花」をやることになったという裏話も披露された)
こうしてスタッフからのリクエスト4曲をトークと共に披露すると、最後に山口は、サカナクション19年目にして「怪獣」という初めての世の中的なヒットソングが生まれたこと、そして自身45歳で全盛期を迎えられたことへの感謝を述べ、さらに次のように続けた。
ただやっぱりここ数年、本当にいい時も悪い時もあって。それはみなさんにもあると思う。バンドって5人ですから、みんながいつも同じテンションでいるわけではないし、僕が病気になったこともあって、休んでいた間も僕らのことを忘れずに応援してくださってありがとうございました。
これからも期待に応えていけるように、楽しく、自分たちの好きな音楽を作っていきたいと思います。それがみなさんの元に届いて、もし気に入っていただけましたら、ぜひまたサカナクションを聴いてくれたらと思います。また、リクエストしてもらえる曲をたくさん作りたいと思います。暗い曲をね(笑)
そして、今ここに集っている新旧あらゆるファンの心に最も届いているであろう「怪獣」を歌い上げると、今年秋に開催される武道館4DAYSを含む東京・大阪・神戸の3都市10公演のアリーナツアー<SAKANAQUARIUM 2026>を発表。
山口は「今回は、完全に“音”に全振りします!」と、これまで以上に音にこだわったツアーを展開することを宣言し、ツアーへの意気込みを語った。
今日のライブは、お寿司で言ったら立ち食い寿司みたいな感じだったけど(笑)、今度のツアーはがっちりとみんなにカウンターに座ってもらって、本当の“サカナクション寿司”を味わってもらえたらなと思います。では最後に、この曲で終わりたいと思います。みなさま、今日はどうもありがとうございました。そしてこれからも、応援よろしくお願いします!
間髪入れずに江島がハイハットでカウントを刻むと、ステージに“新宝島ダンサーズ”が飛び出してきて、この日唯一の映像演出と共に「新宝島」で2日間の特別なライブは幕を閉じた。
2日間のライブを終えた直後、仕込みから数えて一週間に渡りSGCホール有明のポテンシャルを探求し続けてきたメンバーと浦本、佐々木に、今の率直な心境や、秋に控えるアリーナツアーについての意気込みを語ってもらった。
2日間、何とか無事に終わりました。もちろん、最終的にはサニーさんのおかげだと思っていますけど、でも今日のライブも、音は良かったんじゃないかな。
自分たちで聴いてみたいよね(笑)。
(アリーナツアーの)武道館はどうなるんだろうね?
スピーカーをどれだけ仕込めるか、その上でどういう状況になるのか、やってみないと分からないことも多くて。そもそも武道館って、ここより音が響くし。
武道館はここみたく客席の横や後ろ側にスピーカーが埋め込まれていないから、イマーシブ音響は使わずに、d&b Soundscapeで音の分離感や定位感の良さを体験してもらう、というのはアリだよね。そのあたり、どんな音でツアーをするのか、新しい曲作りも進めながら、これから練っていきたいと思います。
(d&b Soundscapeは)音の分離感がいい分、音がクリアになればなるほどバンドの一体感が失われるんじゃないかって、そこが一番心配でした。でも、ちゃんとバンド感も音圧感もあったという感想をいただけて、とても安心しました。
シンセ周りの音は何とか調整できたと思いますが、「もっとこうできたら」という悔しさも少しあるので……秋のツアーはまた違った感じのものになると思うけど、今回の経験を活かして、ツアーも頑張ろうと思います。
秋のアリーナツアーで具体的に音がどうなるのかはまだわからないけど、いっくんが「音に全振り」って言っていたように、そこはみんな全力でやり切ることは間違いなので、絶対に今まで以上のライブにできると思っています。
一郎くん、MCで「音に全振り」って言ってましたね(笑)。ただ武道館とか、会場によってスピーカーを吊れる場所などの物理的な制限もあって、どういう音響システムでツアーができるか検討中です。それもあって、ライブ中に一郎くんから話しを振られた時にちょっと言葉を濁したんですが(笑)、どのようなシステムであれ、そのベストのサウンドを体感してもらえるように頑張りますので、ファンのみなさんには、次のツアーを楽しみにしていてほしいですね。
(SGCホール有明で2日間ライブをやってみて)イマーシブサウンドって、もっと低音がないイメージだったけど、十分でしたね。ただここはサブウーファーの設置場所がステージの下(内側)で、初日はローの鳴りがちょっと遅く感じて。「mellow」とかを演奏していると、ちょっとオンビートに聴こえるというか。初日が終わった後、そこをエジーと話しをして調整しました。
今はスピーカーの進化も速くて、SGCホール有明のような音楽専用ホールが増えると嬉しいですね。ただイマーシブサウンドを使いこなせるミュージシャンって、今はまだ限られるんじゃないかな。サニーさんのようにちゃんとコントロールできるエンジニアも必要だし、何せセッティングが大変。それでも、テクノロジーの進化は常に音楽に影響を与えていて、そういう意味で、今回のライブでPAの進化を体感することができたことは良かったなって思っています。
d&b Soundscapeは音の分離感がすごくいいから、演奏の上手い/下手がバレちゃうけど(笑)、こういうふうにライブ環境が進化していく中で、昔のミュージシャン、例えばYMOが今の音響でライブをやったらどう聴こえるんだろうなとか、そういったことを考えたりもします。「いらない」とか、特にそういう曲ですしね。この曲をフェスでどうやっていくのか、大事になってくるだろうなって思います。
あと、今回のリクエスト結果を見て、ファンが求めている曲は意外と暗い曲が多いんだなっていうことが分かりました(笑)。「あまりライブでやってない曲」っていう投票傾向もあったんだろうけど、だけど昔の曲を「いい」って言ってもらえるのは本当にありがたいと思っていて。今、サカナクションのムードはそっちに行ってるから。「夜の踊り子」が韓国でバズったり、これまでやってきたことがやっと追い付いてきたっていう感覚があって。だからこそ、「怪獣」がヒットして本当によかったなって思う。それがなかったら、今ごろもっと暗いムードでやってただろうしね(笑)。
そして最後に、「音に全振り」と宣言したアリーナツアー<SAKANAQUARIUM 2026>についても語ってもらった。
スピーカー自体は今回と同じd&bを使うことは決まっているんですけど、具体的にどういう音響システムにするかは、いま考えているところです。武道館は制約も多いから、例えばその制約を逆手にとって、センターステージにしてモノラル・サウンドのライブにしても面白いんじゃないか、とも思ったりして。そういうちょっと面白いこと、自分たちがワクワクすることをこれからも続けていきますので、ぜひ秋のアリーナツアーも楽しみにしていてください。

サカナクションがSGCホール有明ライブで用いた「d&b Soundscape」とは、ドイツの音響機器メーカー「d&b audiotechnik」社が開発した革新的なイマーシブ音響システムの技術名称。
日本では、2018年にサカナクションがEX THEATER ROPPONGIで4日間に渡り開催した<SAKANAQUARIUM2018"魚図鑑ゼミナール" VISUAL LIVE SESSION>で国内初導入され、その後もサカナクションは、<SAKANAQUARIUM 暗闇>(2019年)などでd&b社製スピーカーを積極的に使用。そして今回、同システムが常設されたSGCホール有明でd&b Soundscapeをフル活用したライブ・イマーシブを展開した。
d&b Soundscapeを使うと、ライブ・サウンドがどのように聴こえるのか。そもそも、マイクやスピーカーを使わないコンサートでは、歌はボーカリストの口から、ドラムは楽器の位置から音が聴こえてくる。もっとも自然な聴こえ方だ。だが、この演奏を従来の「左右のスピーカーで音を鳴らすステレオ方式のライブ音響システム」で観客に届けると、自然な聴こえ方がするのは会場中央のエリアに限られ、例えば右端の席の人は、ボーカリストは自分の左前方向に立っているのに、歌声は目の前にあるR(右)スピーカーから聴こえるという不自然な状況となってしまう。
このように、ステージ上のミュージシャンの見た目の位置と、実際に歌や演奏が聴こえてくる位置のズレを解消し、会場内のどの座席でもステージ上のミュージシャン/楽器の位置から音が聴こえてくるように音をポジショニングできる点が、d&b Soundscapeの最大の特徴であり、基本機能だ(音像配置/「En-Scene」機能と呼ばれる)。
さらにこの技術を応用すれば、例えばサカナクションがコンピューターから鳴らしているようなシーケンス・サウンド(効果音やプログラミングされたフレーズ)を空間全体に自由に配置することも可能となり、通常のステレオ方式では不可能な音世界を生み出すことができるようになる。
この効果を実現するために、d&b Soundscapeを用いたライブではステージ中央上部に「センタースピーカー(C)」、その両サイドに「センターL(CL)」、「センターR(CR)」の3列と、さらにステージ両脇の「L」と「R」を加えた計5列のスピーカーが会場フロントに設置される。
さらにd&b Soundscapeには、もうひとつの機能がある。客席を360°取り囲むようにスピーカーを追加設置することで、ライブハウスでありながらも、例えば有名コンサートホールや教会、大聖堂などあらゆる空間の響きを再現することが可能だ(空間表現/「En-Space」機能と呼ばれる)。
また客席を取り囲むサラウンドスピーカーは「En-Scene」の機能としても使用可能で、サラウンド的に観客の前後左右に音を配置し、それを動かすことも可能なのだ。
今回のSGCホール有明でのサカナクション・ライブでは、この2つの機能を活用し、楽曲によって両者のバランスを最適にブレンドすることで、没入感の高いイマーシブな音響体験と共に、NF memberによるリクエスト曲を披露していった。音にこだわるサカナクションが2026年に到達した、革新的なイマーシブ表現だった。
※1 2026年3月開業のSGCホール有明には、5列から成る「En-Scene」用スピーカーがフロントに、計70台の「En-Space」用サラウンドスピーカーが客席の横や後方の壁面に常設されているほか、バルコニー下などにフロントスピーカーの音を補正するディレイスピーカーも設置されており、どの席でも音の印象が変わらず、細かな音までクリアに聴き取れるように設計されている。また、ステージ両脇のL/Rスピーカーの上方にはサブウーファーも吊るされており、4階席でもアリーナと同様の重低音感が味わえる。
※2 2018年のサカナクションEX THEATER ROPPONGI公演では、基本となるd&b Soundscape(「En-Scene」機能)のみでライブ・サウンドが構築されていた。
※3 「イマーシブ(Immersive)」とは「没入する」という意味。聴き手をさまざまな方向から音で包み込むような効果を与えることで、まるでアーティストの演奏に囲まれているかのような音の立体空間を作り出す音響テクノロジーを総称するワード。「空間オーディオ」「3Dサラウンド」「立体音響」と呼ばれることもあり、オーディオ分野では「Dolby Atmos」や「Sony 360 Reality Audio」が代表的。このイマーシブ感を生演奏でリアルタイムに作り出すことができるシステムが、d&b Soundscapeだ。
※4 学術用語「サウンドスケープ」の概念と厳密には直結するものではないが、あくまでもその考え方と起点とし、“音の風景”を創出するという意味合いから「d&b Soundscape」というシステム名が付けられている。