アダプトツアー最終章へ。ツアーファイナル日本武道館で想うこと。

日本武道館ラスト2daysを残し、前半2日間の公演直後にいま想うことについて語ってもらった。

1月26日夜、日本武道館公演2日目を終えたばかりの楽屋を突撃。楽屋に残る女優・川床明日香、総合演出・田中裕介、スタイリスト・三田真一にここまでの全国ツアー、そして残す日本武道館追加公演と生配信に向けての取材を敢行した。

―日本武道館前半2日間お疲れ様でした、週刊魚民です。

川床「あはは、来た(笑)」

―残すところあと2日ですが、オンラインライブとツアーの違いなど、これまでやってきて何か感じるところはありますか?

川床「自分が出演しているシーンで、唯一、ステージを見ることができる『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』のときにメンバーの皆さんが、すごく楽しそうにしていたのが印象に残っています。オンラインでは世界観に沿った表情をしていたので。あと、ステージに上がる直前にメンバー皆さんと待機しているとき、最初は自分もここにいて大丈夫かなと?思っていたけど、だんだん皆さんの顔を見て、安心できるようになりました。」

―2ヶ月前のツアースタートからここまできて、何か変わったことはありますか?

川床「同じことをするけど、絶対同じじゃない。昨日聞こえなかった音が聞こえるようになったり、いままで感じなかった振動を感じたり。毎回変化があるのでそれを楽しんでるし、怖いこともあります。」

―「アダプト ONLINE」の無観客と「アダプト TOUR」の有観客、自分の中で変えたこと、または変わっていったことなどあるんでしょうか?

川床「変えたことはないですが、変わったことは、最初、愛知公演をやっていたときにこんなに沢山の人に芝居を見られたことがなかったので、すごく怖かったです。最初は目線を恐れていたけれど、ライブを重ねていく中で『みんなで作るもの』という意識に変わっていきました。」

―最終公演の日本武道館ですが、今までと違うことはありますか?

川床「ライブ中に一郎さんとのアクションがあるのですが、そこがいつもより上手くいかないですね(笑)」

山口「力んじゃってるんだよね。この2日間だけの話じゃないけど、ライブを諦めて残念な思いをしている人がいっぱいいて。コロナに負けた感じがして、悔しくて。」

―残すところあと2日、武道館生配信に向けて前半のこの2日のLIVEをどんな風に見ていたのか。再燃したコロナ禍で「生配信」が重要なものなってきていると感じていますが、田中監督は武道館生配信はどういうものにしていきたいですか?

田中「今回のツアーの基本コンセプトは『オンラインライブ』。実際に『生』でやってたんですよ。みたいなことだったり、サービスモニターで見せた内容は、それだけで『オンラインライブ』として成り立つようなものを目指しています。『オンラインライブ』の撮影現場を目撃しているようなイメージですね。『武道館生配信』では、それがさらにオンラインになることで、レイヤー構造が多重になる。『オンラインライブの撮影現場に立ち会っている』ことの疑似体験になるのか、ライブの疑似体験になるのか。やってみないとわからないですね。」

―ライブとオンラインライブの間になる?

田中「アダプトONLINEの現場にきたように感られるのが、今回のツアー。このライブを見ている疑似体験も、有観客のライブ配信だから重要な部分だけれど、オンラインライブで伝えたかったストーリーも伝えたい。複雑です。」

―29・30日で変わることも?

田中「ライブ疑似体験感とコンセプトを伝える塩梅が変わるかもしれません。探り探りですね。」

―映像の見せ方。ギミックについてなにかありますか?

田中「一つ考えてることがありますが、まだ言いません。(笑)。リハーサルをやってみて、作戦が成功したらやるけど、失敗したら止めようかなと思ってます。(笑)。生というか、全部その現場で起きていることなんだということを大事にしたいですね。オンラインでは、映像でしか見ない前提で作っていて、生と事前撮影の映像と入り乱れていたりしたけど、今回は『それでも全部生だよ』という理屈で通せるようにしたい。それが上手くいくかどうかはやってみないとですが。」

―ラスト2日。オンラインライブからツアー最終に向けて、また、これからのライブというものについて考えていることはありますか?

三田「オンラインとリアルライブの楽しさの違いですかね。いま、より楽しくなってきたところです。リアルライブの場所によっての影響の出方の違いだったり、オンラインでの安定感だったり。」

―オンラインライブは演出で寄りが多かったり、よく見える部分もあったり、ライブはメンバーや会場全体を見れるし感じられる、さまざまな違いがありますよね。

三田「オンラインを見てからリアルライブに来る人は、頭にその残像が残ってる人もいるだろうし、リアルライブからの人はライブの印象を元にオンラインを見るだろうし、どっちを先に見たら、どう見えるのか。各々の感性みたいなものがキーポイントですよね。リアルライブも、もう一回、違う場所から見ると、またさらに違う視点が生まれるだろうし。」

―リアルライブも千秋楽まで残りわずかですが、ここまで来て、いかがですか。

三田「完成度が上がって、違うものが見えたりしてきています。同じ衣装を着ているのに、ここに来てエジーのパンツの裾につま先が引っかかるようになってしまったんですけど。江島の七不思議というものがあって、ツアーごとに毎回何かしら起こる。第1ボタンが閉まらなくなるとか、江島だけシャツが縮むとか。服が引っかかるって、よほどないことなんですよ(笑)。なんでかなということが毎回起こるのが、ライブの楽しみなのかもしれない。江島ファンにはこの七不思議に注目していただきたい(笑)。」

―コロナが落ち着いたとしても、『オンラインライブ』への期待の声は続くのではないかと思っています。

三田「演出方法なのかもしれないけど、一つの内容で違う視点があるというのも面白いと思う。今回はオンラインと同じものを、リアルライブでどう見せるかというライブだけど、舞台・演技がメインの見せ方があったり、1曲だけお客さんが自由に撮影して良いとか。オンラインは、ライブに行けないから見るのではなく、継続して面白い見せ方を探ったり、いろんな可能性があるように思います。」

いよいよアダプトプロジェクト最終章へ、29日.30日の集大成がとても楽しみだ。

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