「今回のアダプトの演出は光ONLINEよりコンセプチュアルになる。前回はテーマが光だったので、光そのものだったが、今回は『アダプト』と、状況を言い表しているテーマなので内面的なものを描く方向になるかなと思う。
映像はセットを使った展開をするので、前半はより映像的なものになる。生配信にこだわっているので、その緊張感を観てる方と一緒に共有できるのかが重要。今回は一人の女性が主人公で登場する。
オンラインライブで表現する“内面的”な部分の代弁者としての役割を担う。」と語った。
尚、毎回多額の予算を使いサカナクションの運営側を困らせている田中氏であるが、今回の予算に関しては「ノーコメント。」ということであった。
連日、夜通しでミーティングが続いているという田中裕介氏。本番までに課題が乗り越えられるのか不安の毎日だと思うが、アダプトプロジェクトにとって大事なスタートとなる、オンラインライブなだけに大きな期待をしたいと思う。
11月2日深夜、総合演出を務める田中裕介を山口宅でのミーティング中に直撃した。
―田中裕介さん、すみません、「週刊魚民」です。
「はい」
―前作はコロナ禍で中止になったライブツアーのコンセプトを踏襲する形でしたが、今回は全く新しい初めてのオンラインライブということで、どういったコンセプトで演出されるのでしょうか?
「前作ではタイトルに含んでいる”光”そのものをどう表現するかを考えたオンラインライブだった。今回は、状況を言い表す”アダプト”という言葉がテーマとなるため、内面的なものを描く方向になっています」
―気をつけようとしている部分は?
「生配信にこだわっているので、その緊張感を共有できるようなものにしようと思います」
―今回、サカナクション以外の出演者はいるのでしょうか?
「います。一人の女性が主人公のような存在として登場します」
―その女性の役割は?
「”内面”といっていたものの代弁者というような存在です。光オンラインを含めて、前作から今作のアルバムにいたるサカナクションの内面の代弁者でもあり、世の中、リスナーの代弁者にもなります」
―光オンラインでは多額の予算をつかうというセンセーショナルな出来事を引き起こしましたが、今回は?
「……」
表情をこわばらせた田中はこの質問以降、無言を貫いた。